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医局だより02

頭痛のお話―どんな頭痛が心配な頭痛か?―

  外来で診察をしていると『頭痛がするので脳の病気が心配です。』と患者さんがこられて、検査をしてほしいと言われます。実際には検査をしても異常がないことがほとんどなのですが。今回は頭痛についてお話してみたいと思います。  頭痛は大きく分けると脳に異常が起こって頭痛を呈する器質的頭痛と異常がない機能的頭痛に分けられます。


器質的頭痛(脳に異常がある場合)

  器質的頭痛(脳に異常がある場合)ですが、脳は全身の筋肉を動かしたり、感覚を司ったりして、全身のコントロールをしているいわばコンピューターのようなものです。故障がおこれば手足が麻痺したり、言葉がおかしくなったり、感覚が鈍くなったりします。このような症状を伴ってくる頭痛は脳の病気を心配しなくてはなりません。五体満足で言葉にも不自由がなく、一人で受診できる場合は先ず心配は無いことが多いのです。ただし急に起こった激しい頭痛は全身の症状が無くても軽いクモ膜下出血の心配があります。急に起こることがポイントです。この場合はすぐに受診されることをお勧めいたします。高血圧で脳出血を起こせば麻痺が出たり言葉が不自由になったりします。脳梗塞を心配していらっしゃる方もいますが、頭痛を呈するような場合はまず麻痺や意識障害が出ているはずです。脳腫瘍でも頭痛を起こす様な場合はかなり大きくなっているはずで、何らかの症状がでるはずです。ただ例外も多少はあります。
  このように頭痛のみで五体満足であれば脳の病気をそれほど心配しなくてもよい場合が多いのです。ただし例外があることも事実なので検査で確認されることは大切だとおもいます。


機能的頭痛(心配ない頭痛)

  機能的頭痛(心配ない頭痛)の方ですが、こちらの方が頻度としてはかなりの割合を占めます。もちろん五体満足な状態です。肩こりがひどくなり項(うなじ)の部を押さえると痛みがあるような場合は、筋緊張性頭痛といって、こりが原因の頭痛です。よく頭が締めつけられるように痛い、動くときふわっとしためまいがする、眼がしょぼしょぼしてだめだと言うような場合は、この頭痛が多いようです。また思春期の女性が多い血管性頭痛は拍動性の頭痛で眼のチカチカを伴うような場合で、寝なければ治らないような頭痛があります。現在は頭痛発作時に内服して効果のある薬も登場しましたので、この頭痛に悩まされている場合は受診されると良いと思います。またくしゃみや眼の充血などのアレルギー症状を伴って、ある時期にまとまって頭痛が出る群発性頭痛もあります。いずれも脳の病気とは関係ありませんので心配は無いのですが、これらの頭痛に合った薬もありますので受診されると良いでしょう。


外来受診時のポイント
症状の説明など必要なポイントをまとめました。

□頭痛はどのようにして起こったか。
□頭にどんな痛みを感じるか。
□頭以外に、首など他の部位にも痛みがあるか。
□どのくらいの期間、痛みが続いているか。
□どの程度の頻度・周期で痛くなるか。
□1回の頭痛がどのくらい続くか。
□何か頭痛の誘因は思いつくか。
□頭痛の前に何か他の症状はあるか。
□今はどうやって頭痛を治しているか。
□痛みはどのような痛みか。
□痛みの性質はいつも同じかどうか。
□咳や体位などで痛みが変化するか。
□現在、服用している薬の種類は。
□家族に片頭痛を起こしやすい人がいるか。
□精神的ストレスを感じているか。

  以上頭痛について簡単にお話しましたが、例外があるのも事実です。頭痛で脳の病気を心配される場合は、受診されて検査を受けられるのが基本です。受診の際の一助になれば幸いと思います。


心配な方は脳ドックへ
   最近は脳ドックで脳の病気の心配がないかを確かめられる方も多いようです。クモ膜下出血の原因になる脳動脈瘤が無いことを確認しておけば、頭痛の時でもクモ膜下出血はそれほど心配なくなります。協和中央病院の人間ドックでも脳ドックを実施しておりますのでご利用下さい。
  平成13年の1月から12月までの1年間に協和中央病院の人間ドックで300名以上の方々が脳ドックを受けられています。
『頭痛のお話』担当先生

協和中央病院院長
    中原 昇
(なかはら のぼる)
【プロフィール】
昭和26年生まれ
昭和55年 筑波大学医学専門学群卒業
日本脳神経外科学会専門医

【専門】 脳神経外科





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