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脳卒中について協和中央病院 診療部 脳外科部長 黒川徳一



 脳卒中は主として動脈硬化による脳血管の老化を基盤として発病します。脳卒中には(1)脳梗塞(2)脳内出血(3)くも膜下出血などの区別がありますが、何と言っても長寿社会において最も多く見られるのは脳梗塞です。これは脳の血管が血栓などで詰まってしまう病気です。脳梗塞の場合、詰まってしまった脳血管の太さの違いや左右の場所の違いによって症状は軽かったり重かったりします。次いで多いのは高血圧等による脳内出血であり、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血と続きます。脳外科においてよく手術されるのは、破裂した脳動脈瘤にクリップをかけて再出血を予防したり重症の脳内出血を吸引除去して救命をはかる場合などです。脳梗塞では特殊な状況を除いて手術はされません。
 最近、気になる傾向として脳塞栓と呼ばれる重症型の脳梗塞や壮年期の重症脳内出血例が増えてきていることがあげられます。
 脳塞栓は心房細動とよばれる不整脈の方に比較的よくみられます。心房細動は心臓内の血流の乱れから心臓の一部の袋に血栓を作ってしまうことがあり、この血栓がある日突然飛んで脳の太い血管をいきなり詰めてしまうことがあるのです。また、首の動脈の一部が細くなって血流がよどみ、血栓ができて飛ぶ場合もあります。一方、体力に自信のある若い方であるのに急に脳内出血で倒れてしまう場合、高血圧を見過ごしていたり過度の飲酒が発病原因になっていたりします。
 脳卒中は突然手足の自由を失うばかりか時には、痴呆、寝たきり、突然死を生じます。リハビリを頑張って社会復帰される方もたくさんいらっしゃいますが、やはり発病予防が一番大切です。注意する点は、高血圧・糖尿病・高脂血症などの慢性疾患を放置しないこと、過度の飲酒や喫煙を止めること、睡眠不足や過労・ストレスを避けることなのです。働き盛りの若い方では体力を過信せずに定期的な職場検診を受けて下さい。成人病で通院治療中の方は自己判断で薬を止めたりしないで下さい。そして身体の異常を感じたら早めにかかりつけの病院を受診しましょう。



(下館法人会「法人しもだて第54号」掲載)







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