糖尿病は血糖値が上昇し、動脈硬化を発症、進展させる最大の原因疾患です。動脈硬化から心筋梗塞、脳血管障害、腎不全、眼疾患など重大な疾患が引き起こされます。現在日本では糖尿病疾患が約700万人、その予備軍とされる前糖尿病状態の人がさらに、約700万人存在すると言われています。まさに現代日本は糖尿病の国と言え、医療上最大の問題となっています。
日本は元来農耕民族であり、有史以来たえず飢餓と戦って来ました。そのため生命の維持活動に最も基本となる栄養素─糖(血糖)をいかに必要なだけ確保するかという体質が遺伝子の中に組み込まれて来たと言われています。逆に血糖が上昇しすぎた場合にそれを下げる機構(体内のインスリンを分泌させる作用)はきわめて弱体であると言えます。日本人は今日の急激な食生活の欧米化によるカロリー摂取の増大、血糖値の増加に十分対応しうる能力が備わっていないことが糖尿病激増の根本原因と言えます。
また、日本人の糖尿病の特質として前糖尿病状態の人(正常と糖尿病の境界型)が非常に多く、困ったことにこの境界型の人も糖尿病の人とほぼ変わらない頻度で心筋梗塞などの重大な心血管疾患を発症し得ることが最近の研究でわかって来ており問題となっています。
糖尿病にならないようにする、あるいは、糖尿病になってしまった人が血糖値を改善させるにはどうしたらよいでしょうか。───それは食生活を再検討することです。欧米化以前の生活に戻ることです。純和食(米飯、煮物、焼物、刺身、豆腐、納豆など)中心の食生活に戻って下さい。これが基本中の基本で、その上に、適度な運動(1日30分ぐらい歩く)、夜食をやめ、一日三食しっかり適量を摂取して下さい。子供の頃からこの習慣を身につけるようにご家族で努力して下さい。
(筑西市商工会会報「あじさいメール11号」掲載) |