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  「症例検討会」・「研究発表会」を、平成27年2月13日(金)に協和中央病院4階講堂にて開催しました。9題の発表があり、参加人数も149名と、職員の興味の高さが伺え、盛会のうちに終了しました。
 

  演題1 『地域包括ケア病棟での病棟リハ活動報告』 
                               〜病棟リハの取り組みを中心に〜
  演者 協和中央病院 リハビリテーション科 理学療法士 信戸 正美
共同演者 酒寄由記
   平成26年9月末で亜急性期病棟が廃止となり、新たに地域包括ケア病棟が新設されました。その背景として、平成26年度の診療報酬改定の重要課題である病床の機能分化の促進があり、地域包括ケア病棟の主な役割として、@急性期病床からの患者の受け入れ A在宅療養中の患者の緊急時の受け入れ B在宅・生活復帰支援が挙げられます。特にB在宅・生活復帰支援においてのリハビリテーション部門の関わりが大きく、在宅復帰に向けての取り組みが重要となってきます。現在、24床の地域包括ケア病室が設置され、稼働率100%で稼働しており、在宅復帰率も90%で推移しています。
 今回は、地域包括ケア病棟におけるリハビリテーション部門の現状報告と併せ、病棟リハの役割や現在の取り組みについて以下のことをご紹介させて頂きたいと思います。

1. 地域包括ケア病棟とは
2. リハビリテーション部門の役割
3. 実績報告
4. 現在の取り組み
5. 今後の課題
6. まとめ

 

 

演題2 『退院支援に係る居宅ケアマネの役割と居宅介護支援の概要』

 

(医療と介護の円滑な連携を図るために必要なこと)

 

演者 協和中央病院 居宅介護支援事業所 介護支援専門員 秋山 大輔
共同演者 脇田信一 青柳利之

   超高齢社会の進展に伴い、要介護者等の割合も年を追うごとに増加し、2025年には、国民の3人に一人が65歳以上になるという推計が示されている。
 この地域においても、高齢社会や要介護者への対応は大きな課題となっており、行政においても様々な施策を講じているとこるである。
 今回は、私達ケアマネジャーが病院から退院する際に行っている居宅介護支援、及び自宅や施設で介護を受けながら生活しているケースが、病院へ入院し、再び自宅、施設へ戻る際の支援について紹介し、医療、介護の連携の重要性について、意見を述べる。

1、筑西市、桜川市の高齢化の推移
2、当事業所が担当しているケースの入退院履歴
3、居宅介護支援の概要
4、医療連携及び介護連携の評価(診療報酬・介護報酬)
5、居宅介護支援を効率的に行い、ケースの早期退院を実現するための課題
6、まとめ

 

  演題3 『MRI静音化への取組み』
 

演者 協和中央病院 放射線技術科 診療放射線技師 深谷 元気
共同演者 針谷昇平

  【背景・目的】
 近年、医療機器開発技術は飛躍的進歩を遂げ、MRI領域においても新技術の導入などにより今後の更なる普及・発展が見込まれる。一方で騒音、検査の長時間化、発熱などのデメリットも存在する。今回は騒音に注目し、当院のMRI装置でも静音化が可能かどうか検討したので報告する。

【方法】
 当院で通常施行しているMRI頭部ルーチン検査のプロトコルを基に、静音化されたプロトコルを新たに作成し、両者の騒音レベルの違いを機械的に測定した。事前に患者様に了解を得たうえで検査の全部または一部を、静音化されたものとされていないものとの2種類のプロトコルで撮像させていただいた。検査後に簡易アンケート調査を実行し、静音化が有効であったかを検証した。

【結果・考察】
 作成した静音プロトコルについて、すべてのシーケンスにおいてピーク音圧レベル(dB値)が低減した。アンケート結果から、通常施行しているプロトコルについて「音がうるさい」と回答した患者様は79%であった。静音化について「効果があった」と回答した患者様は88%であった。(H26.12.13時点)
 各シーケンスにより音の高低差や体感する振動の強弱が異なるため、また患者様の可聴域に個人差があるため、必ずとはいえないが殆どの患者様に対して静音効果があるといえる。今後は頭部以外の領域でも検証していきたい。

  演題4 『逝去時マニュアル』を活用したケアの統一化
                                  〜新エンゼルケアへの取り組み〜
 

演者 協和南病院 准看護師 酒寄 幸江 
共同演者 中村美穂 日向宏之 江口祐一

  [はじめに]
急性期病棟の在院日数の短縮に伴い、療養病棟である当院の患者の重症度が進み看取りの場面に遭遇する頻度が高くなってきている。近年、慣例的に行われてきた死後処置からエンゼルケアへの検討が進められてきている。しかし、当院ではまだ従来の死後処置が行われており、エンゼルケアへの関心も薄い現状がある。「逝去時のマニュアル」「退院後の身体変化についてのリーフレット」を作成したことにより統一化が図れたのでここに報告する。
[方法]
1.エンゼルケアに関する事前アンケート実施
2.事前アンケートを参考にマニュアル作成
3.実演演習
4.終了後アンケート実施
[結果・考察]
今までのエンゼルケアは、独自の判断にゆだねられておりあらゆる面で統一化がされておらず、その手技にもばらつきがあった。
エンゼルケアの事前アンケートにて、「メイク」「家族への声掛け」が難しく、自身のケアに対して不安を持っていることがわかった。マニュアルを作成し、実演演習を行ったことで、それまで個々で行われてきたケアの統一化が図れ、家族への声掛けや退院後の身体変化についても説明することができるようになったと考えられる。
[まとめ]
ケアのプロセスの中で、家族とのコミュニケーションの取り方や、対応手順などさらに検討が必要であり、今後も継続して取り組む必要があると考える。
 

  演題5 『安心・安全な生活環境を目指して』
                      〜夜間巡視チェック表の導入による変化と今後の課題〜
 

演者 協和ヘルシーセンター 介護福祉士 軽部 麻依
共同演者  仁平真輔 稲見周一

   近年の傾向として、高齢者世帯の増加や要介護者の重度化、さらには少子化に伴う在宅における介護力の低下などにより、その望まれる生活が継続できないケースが増えている。要因の一つとして挙げられるのが認知症によるBPSD症状の悪化があり、当施設においても入所者における転倒などの事故の増加、リスクに対する対応が問題になっている。
当施設では拘束廃止をめざし、安全対策・身体拘束廃止推進委員会が中心となって様々な取り組みを行ってきた。その中でも毎月のカンファレンスや事故の発生が多い時間帯(夜間)の業務内容の見直しなどにより、利用者やご家族・かかわるスタッフの意識の変化、今後の課題などについて考察したので報告する。
 

  演題6 『大腸内視鏡時の患者の心理と看護師の関わり』
 

演者  協和中央病院 外来看護科 看護師 平石聡美

  T はじめに
 近年大腸疾患が増加し、早期発見、治療において大腸内視鏡検査は年々需要が高まっているが患者は「苦痛を伴う検査」というイメージが強く、検査に対する不安や緊張、恐怖感を訴える人が多いため敬遠されがちである。そこで本研究で患者の不安や苦痛の原因と、看護師が行っている援助が患者の苦痛軽減につながっているかを調査し、看護介入の検討を行ったので報告する。
U 研究目的
 大腸内視鏡検査を受ける患者の心理的状況を明らかにし、今後の看護介入を検討する。
V 研究方法
1.研究期間:平成26年7月〜10月
2.研究対象:当院にて大腸内視鏡検査を受け、検査後に同意が得られた患者(30人)
3.データ収集方法:検査後、患者にアンケートを渡し無記名で回収箱に投函してもらう。
W 結果・考察
検査をどのように感じたかを複数回答で求めた結果、つらかった15件(30%)緊張した15件(30%)不安だった8件(16%)との回答が上位を占めており、身体的苦痛から検査をつらいと感じているよりも、精神的不安や緊張の方が大きいという事が明らかになった。
 検査中の看護師の声かけやタッチングは「安心できた」「頑張れた」「苦痛が和らいだ」との回答が多く、緊張や不安の軽減になっており、現在行っている援助は効果的であるといえる。検査前後の看護師の説明も全員が「理解できた」または「安心できた」と回答しており不安の軽減につながっていると考えられる。
 精神状態が痛みを助長している可能性もあるので、看護師は検査中の進行状況、体位変換や用手圧迫法の必要性、痛みの原因など説明し、どうすれば苦痛が軽減できるかアドバイスをする。そして、患者の表情や態度、言語を観察してその都度声かけ、タッチングしていくことが必要であると考えられる。また、その説明は患者が理解でき協力を得られるよう適切に伝えることも重要であると考えられる。
 苦痛の原因としては下剤の服用や検査中の腹痛・腹部膨満は考えられていたが、24%の方が肛門の痛みを訴えており、特にカメラ挿入時は緊張を和らげ、ゼリーを多めにつけるなど配慮が必要だと考えられる。
 検査を受ける患者は疾患に対する不安も大きく、検査が決まってから不安と緊張に満ちていると思われる。看護師は検査前から十分な説明を行い、検査に対して安心感を持ってもらい、理解と協力を得て検査に臨むことができるように関わっていかなくてはならないと考えられる。そして、検査中は患者に寄り添い、状況に応じた声かけとタッチングを行い、患者の心身の状態をアセスメントしながら検査の進行状況を予測し、臨機応変に対応していくことが必要である。
 

  演題7 安全安楽な入院生活を提供する環境システムの考察
                   〜安全対策器具選択フローチャートを作成・使用してみて〜
 

演者 協和中央病院 新館3階病棟 看護師 海老沢 規子
共同演者 仁平麻美 上野史裕 浅井将弘 高橋秋子

  T はじめに
 平成25年度における当院でのインシデントレポート報告は489件、うち転倒転落に関するインシデントレポート報告は181件であり、全報告の37%を占めており、最多となる。
 転倒転落に関する認知症の症状は患者によって多岐にわたり、転倒転落対策の選択が困難な状況にあるため、個々の患者にあった転倒転落の対策を選択出来ずにインシデントに至ってしまったケースもあったと考えられる。そこで、患者にあった安全対策器具の選択および活用をより具体化することが出来れば、転倒転落の件数が減少し、患者が今まで以上に安全に入院生活を送ることが出来ると考え、安全対策器具選択フローチャート(以下:フローチャートと呼ぶ)を作成した。また、転倒転落の状況を使用前後で比較することでその有効性について考察したのでここに報告する。
U 研究方法
 1、期間 平成26年10月〜平成26年12月第1週までの約2ヶ月間
 2、対象 新館3階病棟入院患者55名 新館3階病棟勤務スタッフ22名
 3、方法 1)安全対策器具フローチャート作成・使用することで、使用前の
       転倒転落状況がどのように変化したのかを比較する。
       2)使用するスタッフに使用状況のアンケート調査を行う。
V 結果、考察
 新館3階病棟での平成25年、26年の10月〜12月第1週までの転倒転落のデータを比較し、前年度のインシデント件数15件・転倒転落の件数10件(66.7%)に対し、今年度インシデント21件・転倒転落の件数10件(47.6%)の結果から、今年度は前年度と比べて19.1%も転倒転落のインシデント件数が軽減された。
 スタッフアンケート調査から、フローチャートを使用することで、「対策の判断に迷った際に目視で確認できることが良かった」、「フローチャートの継続的使用が望ましい」と言う回答を多く得られたことから、今回、フローチャートを作成・使用したことが、安全対策器具の選択をするにあたっての具体的な判断を手助けすることに繋がったと考えられる。今後もフローチャート活用の必要性を実感するとともに、より効果的な活用に向けての改善に取り組んでいきたい。
W おわりに
 今回の研究を通して、患者に安全安楽な入院生活を提供するためには、患者の個別性に応じたシステムの選択と、それらを選択するスタッフの意識及び効率性の両者に着眼するとこが重要であることが考察できた。今後も、目視できるフローチャートの利点が活きるように内容の改善を行い、転倒転落の減少につながることを研究していきたい。
 

  演題8 『在宅高齢Polypharmacy患者の薬剤理解度調査』
 

演者 大和クリニック 内科 医師 木 博
共同演者 細井崇弘 木村洋輔

  【背景・目的】
 近年特に高齢者に対する多剤投与(以下Polypharmacy)は、転倒リスクの増大との関連や医療費増大の観点から重要な問題となっており、在宅医療においても例外ではない。本研究の目的は在宅医療を行っている高齢患者の薬剤理解度を調査し、Polypharmacyと薬剤理解度の関連を明らかにすることである。
【方法】
 大和クリニックにて訪問診療を行っている65歳以上の患者のうち、研究協力を得られた調剤薬局にて訪問調剤を提供されている患者を対象とした横断調査を行った。 2014年8月31日時点で経口薬を定期処方されている患者を抽出し、その内服管理を主に行っている者(患者本人あるいは家族)に対し訪問調剤による定期訪問時に、調査員により「薬剤理解度アンケート」を聞き取り調査にて実施した。なお、内服管理者が認知症である者、コミュニケーション困難者、末期がん患者は除外した。調査内容は@用法・用量「飲み方を覚えていますか?」A薬効「効果を知っていますか?」とした。ただし薬剤は経口薬のみとし、注射(たとえばインスリン注射など)および頓用薬は含めないものとした。 また内服薬6種類以上をPolypharmacy群、5種類以下を非Polypharamacy群と定義した。
なお本研究は当法人協和中央病院倫理委員会にて承認されている。
【結果】
 対象者は57人(男性21人、女性36人、平均年齢84.1歳)であった。被調査者は、本人35%、配偶者33%、嫁16%、娘12%、息子4%で、被調査者の平均年齢は75.4歳であった。Polypharmacy群(以下P群)38人は平均年齢76.0歳、非Polypharamacy群(以下N群)19人は平均年齢74.2歳で、平均服用薬剤数は、P群8.6剤、N群3.8剤であった。薬剤理解度の正答率については、@用法・用量:P群58.0%、N群81.7%、A薬効:Poly群44.0%、非Poly群59.2%で、用法・用量については有意差を認めた(p<0.05)。
【考察】
 在宅医療患者において、高齢Polypharamacy患者では特に用法・用量において薬剤理解度が低く、より入念な服薬指導を医師、薬剤師から行う必要がある。今後多施設での研究を検討している。
 

  演題9 『パーキンソン病と、外科治療』
 

演者 協和中央病院 脳神経外科 医師 木村 唯子

   パーキンソン病は、体が動かしにくくなって歩きづらくなったり、震えが出てお箸や鉛筆を持てなくなったりする病気です。
すぐに致死的になるような病気ではないものの、動けないことで患者さんのADLは大きく低下し、長期的には寝たきり、肺炎などになって短命になることが多いとされています。
現在では良い内服薬が出ているため、症状も良くなって以前よりも予後はよくなりましたが、内服薬の副作用には、嘔気などの消化器症状や、内服薬の効果変動によって急に動いたり、動けなくなったり、また逆にぐにゃぐにゃ動きすぎてしまう(ジスキネジア)という副作用もあります。
主にパーキンソン病の患者さんは神経内科でこれらの内服薬を調整しますが、脳神経外科にもパーキンソン病の治療の方法があります、それが「脳深部刺激装置埋め込み術」という手術です。これは脳の視床下核という場所に電線を埋め込み、持続的に電気を流すことによって、パーキンソン病の患者さんで過敏になっている視床下核を電気刺激で抑制する、というものです。薬と違って効果にムラが無いため、薬の効き具合で悩んでいた患者さんにも有効です。
脳深部刺激療法はどのようにして手術をするのか、患者さんの頭に電気、電線を入れて大丈夫なのか、内服治療と比較してどんなメリット、デメリットがあるのか、未だ一般の方には知られていないパーキンソン病手術について、実際の様子を提示し発表致します。
 




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