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期 間 |
平成20年6月19日・20日 |
場 所 |
自治医科大学地域医療情報研修センター |
参加者 |
大和田和美(看護師主任) |
今回の研修の目的は、医療現場で発生したインシデント事象を、自分たちの力で分析し「どのようにエラーが発生するのか」「どうすれば事象の連鎖を断ち切り事故を防げるのか・・」などを理解し、現場に応じた対策が立てられるような能力の養成という事でした。
講義の中で、日々の医療現場においてリスクマネージメントは「人間はエラーを起こす」ということを前提として、そのエラーが事故へとつながらないようにマネージメントする一連のプロセスであるということを再確認できました。
○ヒューマンエラー対策としての11項目
1.やめる
(行為そのものをやめる、業務プロセスを見直し可能であればエラーの発生するプロセスを排除する)
2.できないようにする
(期待されない行動を阻止するために物理的な制約を与えること)
3.わかりやすくする
(記憶や判断といった認知的負担を軽減する環境を構築する)
4.やりやすくする
(身体的負担を軽減する環境にすること)
5.知覚させる
(医療従事者の身体状態を整える、基準以上の感覚知覚能力を維持する)
6.予測させる
(エラー誘発可能性を予測する能力を身につける、KYTの活用)
7.安全優先の判断をさせる
(患者様にとっての安全を最優先にし、プロとしての「職業的正直」が大切)
8.能力をもたせる
(作業遂行に必要な専門技能を維持するよう教育が重要となる。緊急時に対応できる能力の向上)
9.自分で気づかせる
(セルフモニタリングを行い、作業が終わったら必ず振り返りチェックする。指さし確認・ラインを手でたどって確認する)
10.エラーを検出する
(「気づかせる」工夫をする*アラーム・・人工呼吸器・生体モニター *チェックリストの活用・・人間による対策としては「チームによるエラー検出」が考えられる *ダブルチェック *おかしいと指摘できる職場風土)
11.エラーに備える
(医療機器が故障した場合どうするか?*使用できない場合の準備を常に整えておく*故障時の連絡体制を整えておく 停電した場合どうするか?*無停電電源を使用する*自家発電に切り替える準備をする)
上記のうち、数字が早いほど効果があるとのことです。
Medical SAFERを利用した事例分析ではグループごとに、事象関連図を作成し、問題点を抽出、その背後要因を列挙し、そこから考えられる対策の列挙、実行可能な対策の決定までを行い発表したことで、具体的に分析方法が理解できました。事例「インシュリン投与ミス」については、資料やビデオがあるため実際に院内で演習を行い、今後、各病棟でのインシデント分析能力が高められれば良いと考えます。 |
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