少子高齢化やグローバリゼーションと共に変化する社会保障諸問題は深刻化している。個人的には豊かでも、先行き不透明な景気低迷感で国民が貯蓄に走っている。平成研政策研究会”社会保障制度分科会”の改革案は国民の将来不安を払拭すべく、「さすが平成研」と言われるような政策を作る必要がある。例えば、今回の医療改革に関する提言も単に医療ばかりを考えるのではなく、半永久的な社会保障制度の構造全体から考えて、各論に入るべきである。
 改革なくして景気回復は無いかも知れないが、真に国民が望んでいるのは改革により、その結果として安心できる生活を期待するもので、「安心の具体案」を提示すべきである。
種々の影響で景気が低迷化している国民生活の安心は社会保障制度の充実である。そもそも社会保障費が不足したのは、少子高齢化がもたらした産物であり、現在は4人で1人の老人を支えているが20年後には2人で1人を支えなければならない年金制度(世代間賦課方式)のあり方を見直す必要がある。一方、景気後退による雇用体制は漸次変わりつつある。この雇用不安が社会保障制度全体に影響を与え、能率給やワークシェアリングなどが取り沙汰されている現状では社会保障制度は根本的に見直す時期に来ている。年金や医療費を支える人口を増やすには、年金受給者や失業補償受給者からも社会保障費を撤収する制度を新しく考案すれば良い(介護保険と同様)。
 それには基礎年金を10万円程度に増額し、医療・介護の負担金(医療費の高額医療費は68,600円)の残りを社会保障費として支払って貰う方法である。
当然財源が必要であり、考えられる財源の求め方を以下に列挙する。


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あらゆる扶養控除額を法律とおり徴収する:例えば、老人が扶養者になっていると基礎控除は48万円であるが、同居している場合は10万円加算され、さらに障害を持つ老人は35万円〜75万円まで控除されている。介護保険適応施設に入所した場合は、同居していないのだから、その扶養控除額を削除し(最低10万円〜最高85万円/年)これを介護保険に充てる方法も有る。

A

政府管掌保険や各種団体国保(各種団体に対する国税手当て)の均等化。

B

労災保険や失業保険の見直し:労災保険には約8兆円の残高があるが、これを労災補償ばかりでなく、老人基礎年金や失業保険(生涯10万円)に充てる。この中から一定額の社会保障費を20歳以上の全国民が支払う制度。

C

その他:扶養控除の中には可也の徴収漏れがある。例えば少年犯罪で刑執行中の子供の扶養控除は公然と取り損なっている。「国民基本台帳」を作ったのだから、全ての国民の徴収や控除分はIT化により公平に管理する。

D

20歳になると加入義務があり、出世払い制だが実際は実行されていない。



 施設入所者扶養状況


控除の種類 扶養
同居
特別障害者
同居特別障害
 
控除の金額 48万 10万 40万 35万  

施設名  年齢  性  該当状況  控除合計額 
南病院
71才 ×            年金収入有り
南病院
71才
133万
介護老人福祉施設
87才      
58万
介護老人福祉施設
76才     58万
介護老人福祉施設
74才       58万
介護老人福祉施設
91才 133万
             
*桃香園
1名   *       世帯主のため
*すみれ園
4名   38万   40万    78万
*きんじゅ園
4名   38万   40万    78万

 


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