茨城県医師連盟だより<2001.9.30>

 参議院選挙は国民的な支持率を持った小泉効果のお蔭で自民党が大勝した。私もこの様な結果になるとは思ってもいなかった。改めて、国民が「今後の日本に何を求めているのか?」を知らされた思いである。ご承知のように、総理は「聖域なき改革」を訴えて、国民の圧倒的な支持を受けた。その総理の第一の関門は"靖国参拝"であったが、殆どの賛否両者の裏をかいて8月13日にすんなりやってのけた!誠に見事であった。あの方法が、1番の解決法だと思った。終戦記念日の15日には右翼団体や在日韓国・中国人、反対団体などがデモの予定であったし、恐らく物凄い混乱が予測されていた。対アジア問題も以外と何事も無く済んでしまうよな気がする。外国でも半数以上の人は第2次世界大戦を知らない年代だから、小泉フィーバーは外国まで影響するかも知れない。

 私も、党の命令で鳥取・山梨・静岡・埼玉などの応援に入った。勿論、関係施設への訪問である。殆どのところは我等が応援する武見敬三候補であった。埼玉に入った時、2日前に行った世論調査の結果は、小泉効果で自民党が圧勝するとの新聞報道で沸き上がっており、かなりの手応えがあった。結果的には自民党の8番目に入り見事当選したが、227,042票では日本医師会としては十分に納得できなかったと思う。しかし、実績として歯科医師会や看護協会よりも上位に入ったことは医師会の力を協力にアピールしたのは事実である。

 ところで、田中外務大臣が群馬県(前橋・高崎)で応援演説した時の様子は既にメディア等でご承知のことと思うが、大臣の応援演説は常識的には考えられないと思った。党本部に、群馬県連から「支持者は大臣が午後4時に来るというので、時間通りに来たら田中大臣の都合で1時間前に終わって帰ってしまった」と県民から群馬県連にクレームのメールや電話が殺到したと報告があった。早速、自民党の党紀委員会で諮問され、「戒告・陳謝・テレビ会見」の結論が出た。田中大臣はその通りに行動したが、テレビ会見時の群馬県連の答弁は「なにもそこまで気を使わなくても良いですよ」と全く逆であった。その理由は党紀委員会の結果をテレビで見て、「真紀子さんをいじめないで!」の電話が殺到したからである。詳細は高崎市での応援演説会に5,000人が集まる予定だったが、1,000人しか居ないのに時間を繰り上げて始まってしまった。その後、候補者と4,000人が集まったが、人気大臣の演説は終って、帰ってしまったのでクレームがでた、党紀委員会の結果は他の数百万人からの投書である。最近はメディアの報道の結果、全国民からメールやFAXで抗議文がはいり、内容の良し悪しではなく、人気で政治が変わってしまう。変な世の中になったものである。 

 先日私は、日本医師会の坪井会長著書の「我が医療革命論」(8月14日発行)を読んで非常に感銘した。話しは常々拝聴していたが、これだけ明確に改革論を打ち出すとは思っていなかった。正に医療構造改革は斯くあるべきだと思った。今の小泉総理には国民の世論をバックに物凄い勢いがある。良し悪しはともかく、医療界にも改革の波は押し寄せてくると思う。国民にもかなりの"痛み"を伴うが、医療界もある程度の"痛み"は覚悟しなければならないというのが最近の私の所感である。  政界は小泉フィーバーで吹き荒れている。それを国民が望むのなら、政治家も行政も財界も強いては中小企業,酪農・農水産業者や商店街などの全ての生活を営む国民は景気低迷のどん底から再出発しなければならない時期にきている。しかる後に、繁栄があることを期待して……。


参議院議員/恒貴会・協和中央病院理事長

もどる


Copyright (C) 2001 Kuno Office All Rights Reserved.