くのっち
  ・景気低迷の元凶  ・構造改革で変わり行く社会 ・医療費を抑える方法
   
【景気低迷の元凶】

平成13年9月11日、アメリカの国際貿易センタービルとペンタゴンへの同時テロによって世界は震撼した。(日本ではオウム真理教事件はあったが未解決である。)折しも、日本では絶対に発生しないと思われていた狂牛病が発生し、一層、世の中はどよめいた。メディアはその他の極悪非道な色々な事件を報道し、バブル崩壊後10年にして一挙に景気低迷感を目の当たりにした。
 確かに、以上のことは1つの動機にはなっているが、本当に今の日本人は貧困に喘いでいるのだろうか?バブル絶頂期には急速な右肩上がりの成長ぶりで、日本は豊かになり狂乱物価に溺れていた。その崩壊とともにあらゆるものが急落し始めたのは確かで、造れば売れる時代は後進国の発展により産業界は人件費の安い外国に移り、利益の維持のために産業は空洞化した。とたんに「物余り現象」となった。しかし、この時に”日本人は人件費のアップ”をそのまま放置した。これが今の不況感を煽てる元凶となってしまったと思う。後進国も自国の発展を願い、産業誘致を図りそれを促進した政治も悪かったかもしれないが、その時に何も予感しなかった国民にも責任はあったかも知れない。日本の技術を後進国に導入し、安い人件費のところで作ったものが安い価格で輸入されてくる。これでは日本の高い品物は売れなくなってしまうのは当然である。日本と同じ物が5割、10割安で購入できるのであるから、市場は当然輸入品の方に流されてしまう。政治の失敗はこの頃から始まった。土地第一主義であった銀行の貸付業務もバブル崩壊と共に地価の下落と共に不良債権した。いわば日本人はバブルに浮かされていたと思うしかない。
 ところが、第三次産業は輸入することは出来ない。飲食業などのサービス業は世界各国から入ってきたが、少子高齢化と共に進行する医療費や介護・福祉費は自国で何とかしなければならない。資格保有者を高い人件費で雇用し、医療経営をしなければならない状態である。


【構造改革で変わり行く社会】

 日本医師会が出版した「2015年の医療のグランドデザイン」では現在の医療費は30兆円であるが、15年後の医療費は約60兆円と試算している。何故十数年間で社会保障制度の内の医療費は倍になってしまうのか?10年後の日本のGDPが倍になるとはどうしても思えない。小泉総理が「聖域なき構造改革」と述べているのは、この部分の見直しであると思う。行政改革・政治改革も終え、特殊法人の民営化も現実しつつある。支払い基金も民営化の延長線上にあり、段々と社会機構が変わろうとしているのに、医療界だけはなぜ変わらないのか?不景気な時こそ社会保障制度を安定化させて、国民生活を保障する新制度を構造するべきである。一般営利企業を医療・福祉に参加させて医療費を落とそうとしたのでは、いくら規制緩和といえども患者に納得されるサービスを提供することは出来ない。医療費をその時代の国民生活に合わせたものに置き換えなければ、バブルと同じ現象が起きてしまうと思う。社会保障費が株価運営で成り立っていた時代とは違っていることを認識しなければならない。


【医療費を抑える方法】

患者医師保険者
 医療費はどうして上がるのか?の分析に「少子高齢化社会」を例にしたらとんでも無い間違いを起こしてしまうと思う。高齢化したら病気になりやすく、ドンドン患者が増えてくるという理由ではあらゆるモノが破綻してしまう。前記したが、「今の不況感は物価に対して人件費高」からくるもので、マンパワーで成り立つ医療機関を今後ドンドン造っていったのではどうしても医療・介護費は高騰していくに決まっている。誰しも長生きするなら他人の世話にはならず、健康で生涯を送りたいと願っている。その意味では核家族化した現在では「介護保険の導入」は間違っていたと早急に気付かなければならない。今は医療が発達し予防医学が進歩した。不治の病と思われていたガンは生活習慣病に挙げられ、ガンまで予防できると最近は考えられている。私が言いたいのは、毎年医者が約8,000人も大学から卒業しているのに、医師数や看護師数が何時までも、充足しないところに問題があると考えている(過疎地域が多い)。医療機構が多ければ当然医療費は増加するのは当たり前の話で、アメニティの部分の医療機関を増やせばそれだけ医療費は高騰するのは当然である。なぜか施設の数や医療従事者の数を増やす方向になっている。もう少し合理的な方法を考えないと共倒れになってしまう。異論もあろうが、医師の定年制を導入し健康保険医から外れ、介護保険や健康相談医とか学校・産業医になり、この部分は自由診療となる。そのような構造改革をしないと社会保障費は破綻してしまうであろう。もっと医師や国民など皆でこの不況時の医療はどうあるべきなのかを真剣に考えなければならない時期なのではないだろか…。



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