会期延長の事態...
【平成14年6月30日】

  第154回通常国会は6月19日が最終日であった。
  ところが、小泉総理は今国会で@医療制度関連法案A郵政関連法案B有事法制関連法案C個人情報保護法案の最低でもこの4重要法案を通すために会期を延長した。なぜ、延長しなければならなかったか・・・今国会は田中真紀子元外務相の発言(鈴木宗男と外務省の癒着問題)から端を発し、辻元清美衆議院議員(社民党)・加藤紘一衆議院議員(自民党)・井上裕参議院議員(自民党)の各議員の辞職に至る不正疑惑事件、そして鈴木宗男衆議院議員逮捕に至る『やまりん』等の問題などに与野党ともに論議を集中させ、国会で予定されていた法案の審議に入ることなく徒に時間が経過したのである。
  確かに、辞職に追い込まれた議員は、国民の代表者たる国会議員として成すべき行為に違反した事は免れない事態ではあるが、重要法案の審議を先送りにして、国会の予算委員会などで与野党釈迦力になって討論するべき問題なのであろうか?テレビのワイドショー並の国会中継となっていることにむなしさを感じる議員は多いと思う。
  1年前、小泉総理は『自民党が潰れるか、小泉総理が潰れるか、今の自民党をぶっ潰す!』と立ち上がったのであるが、結局改革断行を唱えてから1年、少し形は変わってきたかもしれないが、森前総理の法案の整理で小泉カラーは出せなかったように思う。
  野党はと言えば、上記法案@の中の国民健康保険法改正案については、平成15年4月より導入予定の社会保険料自己負担1割増(3割負担)の問題が大きく与党の族議員の反対もあり、野党は勢いづいて廃案に持っていく戦法である。景気低迷が続く今、自己負担の割増は当然サラリーマンにとっては痛い話であるが、今でさえ医療の財源が乏しく高齢者の医療費負担もやむ得ない状況なのである。このままの状態を続けていけば近い将来社会保障制度自体が崩壊してしまう恐れもある。現行の社会保障制度が無くなれば一体どう言うことになるか?医療費の2割・3割負担と言ったものではない。全額その場で支払う事になる。そのような事態となれば大変な事である。容易に医者にかかれなくなってしまう。社会保障制度は絶対に崩壊させてはならないのである。目先の事だけではなく将来を見通して『如何にすれば国民の為になるのか』を考えて法案の整備をしなければならないのである。全ての国会議員は『景気低迷の現状がこのままでいい』とは思っていない。
  会期末間近となり、新たに防衛庁の秘密リストの問題も惹起された。次から次と大問題が露呈し、一体何処までウミが出たら治まるのか・・・野党のこれ幸い『監督責任者たる閣僚の辞任要求』などと騒ぎ立て追及する姿勢は、自分たちの党利党略のためとしか考えられない。すぐに辞任とか辞職とかに問題をすり替え、その要求に応じなければ委員会の審議にはボイコットする。国会議員の使命は何なのか?マスコミはそのようなパフォーマンスに国民の目を向けさせようと三面記事的発想で歪曲した記事を書いたりする。新聞が売れればいいのである。国会議員の使命が何であるかとか全く問題外・・・
  10月になれば、「医療法一部改正案」により国民の負担増が表面化し、「介護保険の問題」や「年金問題」で、小泉総理の改革は『痛みが大きすぎる』と皆さんは感じると思う。改革断行の意志を持つ小泉総理には、社会保障審議会や中医協・道路公団民営化推進委員会など、もう少し国民の立場を考えた政治理念をもって改革に取り組んでほしい。
  医療制度関連法案も廃案か強行採決か・・・こんな決め方で本当にいいのであろうか?

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